新型コロナウイルスの影響により社会生活のあり方は一変しました。一方で最近では新型コロナウイルスワクチンの接種も始まり、新たな対応が取られています。ワクチン接種が進むことで、制限が出ていた移動や集会、自粛生活も解除されるかもしれません。
ワクチン接種の開始に伴い、ワクチンの配送をタクシー会社に依頼する自治体が増えています。多くの会場に迅速にワクチンを届けなければならない中、輸送車には運転面だけでなくその地域の地理に詳しいことが求められます。また米・ファイザー社製のワクチンは性質上、揺れを減らすように慎重な取り扱いが求められていることもあり、迅速かつ丁寧な運転ができるタクシードライバーは心強い存在です。
今回は、コロナ禍でワクチン配送を依頼されているタクシー業界の現状をご紹介します。
東京都は4月5日から世田谷区と八王子市を皮切りに、都内の自治体にワクチン配布をスタートさせています。そんな中で東京都北区は、4月26日からタクシー車両によるワクチンの配送を始めました。
ワクチン配送は、連携協定を結んでいる地元タクシー系11社、団体幹事会社、大和自動車交通グループの東都交通が引き受けています。車両はトヨタのタクシー専用車「JPN TAXI」と「コンフォート」。配送初日は125回分のワクチンが入った専用バッグを区の職員が抱えて乗車し、区内5ヵ所の特別養護老人ホームに届けました。タクシーでのワクチン配送は全国的にみても早い取り組みです。
東京都から分配されたファイザー社製のワクチンは、北区職員が保健所から受け取りました。配送には職員が同乗し、ドライバーだけで運ぶわけではありません。またワクチン以外にも注射針や酸素吸入器、接種券なども一緒に配送します。北区では今後6月末までに90施設に届けられる予定です。さらに今後、高齢者や要介護者のほか、ワクチンを打つ医療関係者などの移動の足としてもタクシーが利用される予定です。
同じく4月からタクシーのワクチン配送を始めたのが、大分県別府市です。接種会場へのワクチン配送に、別府市のタクシー会社8社を利用しています。こちらもタクシーには市の担当者が同乗します。
5月下旬からクリニックなど約140ヵ所でワクチン接種が始まっている東京都足立区。6月1日から日本交通グループの昭栄自動車など、地元タクシー会社によるワクチン配送がスタートしました。ワクチン保管場所である大規模病院から区内のクリニックに運ぶ手段として、タクシーが活用されています。
地元のタクシー会社であれば区内の地理を把握しているので、効率的な輸送が可能です。また区内の産業活性化にもつながるとのことで活用されています。
兵庫県たつの市では、ワクチン配送にタクシーが活躍しています。同市の健康福祉部健康課で看護師の資格を持つ非常勤職員を配送担当とし、タクシーに同乗してワクチン接種実施医療機関に運びます。公用車を利用すると別途運転担当が必要になるため、タクシーを活用することに決めました。
配送するワクチンはファイザー社製。−75度以下の超低温冷凍庫から取り出すと、3時間以内に医療機関に運び冷蔵する必要があります。また、冷蔵状態のワクチンは5日間で使い切らなければなりません。
たつの市では31ヵ所の医療機関で個別接種を実施しているため、市内3社が最大4台のタクシーを配車。タクシードライバーは、衝撃に弱いワクチンを守るために路面状態の良い道を走るなどの工夫や意識が求められます。そのため配送ルートもその都度異なります。現在は週2回のペースで配送しています。
コロナの影響でさまざまな業界が打撃を受け、タクシー業界も観光や夜間利用が減るなど苦境に立たされました。しかしコロナ禍も新たな局面に突入している今、タクシー業界はさらに求められています。
ワクチン配送はまさに今社会的にも必要とされており、タクシー業界が重宝されています。日常生活や観光での送迎だけでなく、生活や医療を支えるエッセンシャルワーカーとして、可能性は広がっているのです。そのため「タクシードライバーの採用を増やそう」と考えているタクシー会社も増えています。
タクシードライバーに興味のある方、新たな仕事をしたいと考えている方は、コロナ禍だからこそタクシー業界に挑戦してみてはいかがでしょうか。タクシードライバーへの転職をお考えの方は、「タクルート」からご応募ください。
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